南阿蘇村の水源について
私達は、水源のことについて調べるために、南阿蘇村役場の水環境課にいらっしゃる成松優真さんにインタビューしに行きました。
水源の歴史
地球に水が生まれたときから水源はあったと考えられています。
また、弥生時代の頃の、南阿蘇に人が住んでいたという証拠になる遺跡が発見されています。人間が生きるためには水が必要なため、そのころには水源があったと考えられます。
水源の仕組み
噴火活動によって形成された大きなくぼみは、雨水をためやすい構造になっています。このくぼみにおよそ５万人の人が暮らしており、これこそが世界に誇る阿蘇の大きな特徴だといえます。噴火した水蒸気が雨になり、その雨が山に降ることで山に水がたまります。その水が山を下る間に砂などで汚れが落ち長い年月をかけてきれいな水になります。そして、水源の水として湧いてくるのです。
何故美味しいのか？
水を通しやすい地層、通しにくい地層があり、降った雨は土の中を縫うようにゆっくりと流れていきます。土の中の細かい隙間によって、水の中の不純物が取り除かれます。また、土地の成分がバランスよく溶けこむことで、おいしい水となります。
他の地域では、不純物を工場や民家から流したため水源の環境が悪化したことがあるそうです。しかし、阿蘇地域では動物の糞を肥料にして使ったり定期的に野焼きをしたりするなどして、今のきれいな状態を保っています。
「水の生まれる郷」と言われてる理由
南阿蘇村の水源の多くは日本名水百選に選ばれています。そんな南阿蘇村には１１カ所の水源があり、湧き水が豊富です。また、阿蘇地域の地下水は、その下流となる熊本市や菊陽町等の都市部において水道水として活用されています。そのおかげで、熊本市は人口50万人以上の世界の都市のうち水道水を100％地下水でまかなっている「世界一の地下水都市」とも呼ばれています。
そのような都市部で生活や産業に不可欠な水を生み出している地域であることが「水の生まれる郷」と呼ばれている理由ではないのでしょうか。
水源の紹介
白川水源（白水地区）
白水地区にあり南阿蘇村の中でも有名な水源です。水の生まれる郷として知られる南阿蘇村の中央を流れる清流白川の総水源で、湧水量は毎分60トン。 昭和61年に環境庁の日本名水百選に選定されています。
池の川水源（中松地区）
中松地区にある水源です。「平成の名水百選」のひとつで、毎分５トンの湧水が湧き出てます。飲料水用、生活用水、かんがい用水と3つの用途に水路がわけてあります。
竹崎水源（両併地区）
両併地区にある小さな水源です。毎分120トンという大量の水が湧いています。ゴーゴーと音を出しながら、勢いよく両併川に流れ込んでいます。