地域の人(学習会の方)

中川さん

 Qいつからしているのか

A30歳から福祉センターで解放運動をしています。30歳になるまでは、部落問題は自分には関係ないと思っていましたが、だんだんその部落問題に出会うようになり、そのことについて考えるようになりました。そして、自分と向き合うようになり、出会い直しのために福祉センターで解放運動をしています。

Qみんなをよく見守ってくれるのはなぜか

A ここの村の支部長になって子どもたちの背景を知りたいと思ったからです。

Q.なぜ話をしてくださるのか

A 自分の思いを伝えていきたいからです。自分の先輩になる方々が文字をうばわれて進路保障がなく、仕事につけていませんでした。文字の読み書きができることを「識字」といいます。字を取り戻すことがうちの村はできていませんでした。だからその日暮らしの仕事しかなかったそうです。その中で自分たちの子供を学校に連れていけなかったら、子供たちは親と同じように字を学ぶことができなくなります。これがずっと30年40年続いてしまいました。そこで学習会がつくられ、字を取り戻す近代化教室もしています。「学習会とはなに」といつも質問しています。その答えは、文字を取り戻す戦いをしていくため、子供たちに今までの苦しみをさせたくないためです。そういうことで子供たちに学習会ができました。     

Q どんな思いでやっているか

A 自分自身の考え方生き方を大切にしたいと思っています。そして、話を聞いてくださるみんなにも、自分を大切にしていってほしいと思っています。 

福本さん

Qいつからやってるか      

A以前は、役場の人と一緒に見守りをしていました。しかし、3年前からわたし一人で見守りをしています。そして、学習会を見守っている中で、子どもたち同士のけんかがおきたことがありました。二人が取っ組み合いになる、ボールを人の家の屋根にのせてしまう、そんな様子を見て危ないと思い、見守りをしないといけないと思いました。そこから見守りを30年しています。最近は子どもたちが目を離せない状況になってきているなと思っているので、しっかり見守りをしようと思っています。

Qなぜずっと続けているのか

A学習会に来る子どもたちに会えるのがとても楽しみだからです。また、「こんにちは」「ただいま」といって声掛けをしてくれる元気な様子を見ると、わたしも元気が出るからです。

Q どんな思いでやっていますか。

A ケガをしないようにと気をつけています。また、先生達が来るまでに友達と仲良くできるように、みんなを見守っています。そして、最近、見守りを自分一人でやっているわけではないことがわかりました。この間、サッカーボールで隣の家の窓ガラスを割ってしまいました。5人ぐらいの遊んでいた子たちがいて、一人だけが泣きながら「すいません、割ってしまいました。」と言いに来ました。他の子達は「おれじゃない。」「お前がやったんだろ、」と逃げていったと聞いたんです。それで、子どもたちと一緒にそのお家に謝りにいったんです。泣いていた子はガラスを割ったから怒られると思っていたみたいでした。でも、その家に行っておじさんが一番最初に言ってくれた言葉が「ケガはせんだったかい?」だったんです。怒るのではなく、優しい言葉をかけてくれたんです。泣いていた子供は「おじさんは優しかった。」と言っていました。その出来事があってから、一人で見守りをしているわけではなく、地域の人みんなが学習会にくる子どもたちを見守ってくれていることがわかりました。次の日、サッカーボールがきても割れないようにネットをはってくださっていました。そこに、「サッカー少年へ、けがをしないように」と書いてあるんです。地域の人と一緒に子どもたちを見守っていきたいという思いでやっています。